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山形県庁舎(山形)
またまた空いてしまいましたが、27件目は山形県山形市の公共施設をご紹介します。
旧山形県庁舎は、山形県 山形市 旅篭町(地図)にある旧役所建築で、レンガ造石貼り3階建ての建物は大正5(1916)年に建てられました。
なお正面から見ると1階は半地下構造になっており、一見すると2階建てのように見えます。
郊外に新築された新庁舎へ移転した昭和50年まで、県庁舎として使われていました。

その後、昭和61年から平成7年まで10年を掛けて大規模な修復工事が行われ、現在は山形県郷土館「文翔館」として一般に公開されています。
山形県出身の建築家・中條精一郎を顧問として、田原新之助が実務を担当して設計が行なわれました。
中條精一郎は、曽禰達蔵とともに曽禰中條建築事務所を設立し、慶應義塾大学図書館や小笠原伯爵邸をはじめ多くの建物を設計した人物です。

県内に多くの洋館建築を推進した初代県令(県知事)三島通庸による木造の初代県庁舎(明治10年築)が明治44年の大火で焼失し、二代目の庁舎として建てられたものです。
中央部に塔屋を備え、左右対称という役所建築の典型的な構成です。
渡り廊下によってつながれた県会議事堂も同じ時期に建てられたもので、いずれも昭和59年に重要文化財に指定されています。
堅牢な印象を与える石造りに見えるよう、外壁は全体的に石が張られていますが、1階部分は粗削りな石を貼って堅固な基礎のように見せ、2・3階は化粧石板を貼ってシャープに仕上げています。
ちなみに、左手に延びる渡り廊下は、隣接する県会議事堂につながっています。

また、付け柱のように外壁を張り出して窓と窓の間を仕切り、各階で窓ピッチを合わせていることもあって、役所らしい非常にカッチリした印象です。
一方で、スレート葺きの屋根には屋根窓を並べ、外観の構成を変えた建物四隅の軒上にはアーチを設け、全体的には堅い構成の中にも華やかな装飾も散りばめています。
中庭を備えたロの字の平面構成のうち、建物外周の外壁は石が貼られていますが、中庭に面した外壁は構造体のレンガをそのまま外壁としています。
1・2階間には化粧石による胴蛇腹を巡らし、一部の窓間には補強用の控え壁を張り出しており、建設費圧縮のためか石貼りにしていないものの、それなりに手は掛けています。

正面中央の上部には、銅板で覆った時計塔を戴いています。
屋根のスレート葺きの様子や、軒の石細工に手が込んでいるのがわかります。

正面中央部の出入口は車寄せを備え、イオニア式柱頭を備えた円柱でバルコニーを支えています。
出入口は3連アーチの開き戸になっています。

出入口の3連アーチ扉を入ると、数段の階段を経て2階になっており、出入口と廊下また廊下と階段の仕切りとなる漆喰上壁は、出入口のアーチと合わせた3連アーチになっており、それを大理石の角柱が支えています。

正面から入った2階からは3階への階段があり、半階昇った踊り場で左右に振り分ける構成は、戦前の県庁舎に多い構成です。

踊り場の大窓は、上部が磨りガラスのステンドグラスになっており、華美ではないものの、建物の格式を感じさせます。

出入口正面の階段を3階に昇ると、正庁があります。
正庁とは、重要会議や辞令交付などが行なわれる格の高い講堂です。
また、この正庁からは、正面中央の車寄せ上のバルコニーに出ることができます。

天井を見上げると、首が痛くなるほど見入ってしまう、見事な漆喰細工。
建物隅をアップで撮ると、ご覧のような精密に細工が施されています。

寒い土地柄から各部屋には暖炉が設けられています。
知事室には華やかな壁紙が貼られており、扉周りと暖炉上の装飾はデザインを合わせて統一感を出しています。

知事室の天井には漆喰で細工された照明吊り基部がありますが、豪華な雰囲気を醸し出すためか、天井の面積や吊られている照明に比べてかなり大きなものです。

高等官食堂の天井は漆喰細工ではなく、格天井の一種なのか、大きな長方形に仕切られていました。
幹部職員の設備らしく、周囲を寄せ木で敷いた床や高い腰壁など、手が込んでいます。

廊下は、部屋と部屋の間を通る暗い中廊下ではなく、中庭に面した外廊下になっており、採光も考えられています(電気照明が十分に普及していなかっただけかも知れませんが)。
また、構造補強も兼ねているのか、ところどころにアーチ状の仕切りが設けられており、雰囲気が出ています。

見に行ったのは平成9年(1997年)7月、13年(2001年)5月、19年(2007年)6月、22年(2010年)10月でした。
Fujifilm FinePix4500(240万画素)、Nikon Coolpix E-5000(500万画素)およびOlympus Pen E-P1(1200万画素)で撮影。
山形県郷土館「文翔館」のHPはこちら。
ホームページ洋館探訪の「山形の洋館(山形市)」ページはこちら。
旧山形県庁舎は、山形県 山形市 旅篭町(地図)にある旧役所建築で、レンガ造石貼り3階建ての建物は大正5(1916)年に建てられました。
なお正面から見ると1階は半地下構造になっており、一見すると2階建てのように見えます。
郊外に新築された新庁舎へ移転した昭和50年まで、県庁舎として使われていました。

その後、昭和61年から平成7年まで10年を掛けて大規模な修復工事が行われ、現在は山形県郷土館「文翔館」として一般に公開されています。
山形県出身の建築家・中條精一郎を顧問として、田原新之助が実務を担当して設計が行なわれました。
中條精一郎は、曽禰達蔵とともに曽禰中條建築事務所を設立し、慶應義塾大学図書館や小笠原伯爵邸をはじめ多くの建物を設計した人物です。

県内に多くの洋館建築を推進した初代県令(県知事)三島通庸による木造の初代県庁舎(明治10年築)が明治44年の大火で焼失し、二代目の庁舎として建てられたものです。
中央部に塔屋を備え、左右対称という役所建築の典型的な構成です。
渡り廊下によってつながれた県会議事堂も同じ時期に建てられたもので、いずれも昭和59年に重要文化財に指定されています。
堅牢な印象を与える石造りに見えるよう、外壁は全体的に石が張られていますが、1階部分は粗削りな石を貼って堅固な基礎のように見せ、2・3階は化粧石板を貼ってシャープに仕上げています。
ちなみに、左手に延びる渡り廊下は、隣接する県会議事堂につながっています。

また、付け柱のように外壁を張り出して窓と窓の間を仕切り、各階で窓ピッチを合わせていることもあって、役所らしい非常にカッチリした印象です。
一方で、スレート葺きの屋根には屋根窓を並べ、外観の構成を変えた建物四隅の軒上にはアーチを設け、全体的には堅い構成の中にも華やかな装飾も散りばめています。
中庭を備えたロの字の平面構成のうち、建物外周の外壁は石が貼られていますが、中庭に面した外壁は構造体のレンガをそのまま外壁としています。
1・2階間には化粧石による胴蛇腹を巡らし、一部の窓間には補強用の控え壁を張り出しており、建設費圧縮のためか石貼りにしていないものの、それなりに手は掛けています。

正面中央の上部には、銅板で覆った時計塔を戴いています。
屋根のスレート葺きの様子や、軒の石細工に手が込んでいるのがわかります。

正面中央部の出入口は車寄せを備え、イオニア式柱頭を備えた円柱でバルコニーを支えています。
出入口は3連アーチの開き戸になっています。

出入口の3連アーチ扉を入ると、数段の階段を経て2階になっており、出入口と廊下また廊下と階段の仕切りとなる漆喰上壁は、出入口のアーチと合わせた3連アーチになっており、それを大理石の角柱が支えています。

正面から入った2階からは3階への階段があり、半階昇った踊り場で左右に振り分ける構成は、戦前の県庁舎に多い構成です。

踊り場の大窓は、上部が磨りガラスのステンドグラスになっており、華美ではないものの、建物の格式を感じさせます。

出入口正面の階段を3階に昇ると、正庁があります。
正庁とは、重要会議や辞令交付などが行なわれる格の高い講堂です。
また、この正庁からは、正面中央の車寄せ上のバルコニーに出ることができます。

天井を見上げると、首が痛くなるほど見入ってしまう、見事な漆喰細工。
建物隅をアップで撮ると、ご覧のような精密に細工が施されています。

寒い土地柄から各部屋には暖炉が設けられています。
知事室には華やかな壁紙が貼られており、扉周りと暖炉上の装飾はデザインを合わせて統一感を出しています。

知事室の天井には漆喰で細工された照明吊り基部がありますが、豪華な雰囲気を醸し出すためか、天井の面積や吊られている照明に比べてかなり大きなものです。

高等官食堂の天井は漆喰細工ではなく、格天井の一種なのか、大きな長方形に仕切られていました。
幹部職員の設備らしく、周囲を寄せ木で敷いた床や高い腰壁など、手が込んでいます。

廊下は、部屋と部屋の間を通る暗い中廊下ではなく、中庭に面した外廊下になっており、採光も考えられています(電気照明が十分に普及していなかっただけかも知れませんが)。
また、構造補強も兼ねているのか、ところどころにアーチ状の仕切りが設けられており、雰囲気が出ています。

見に行ったのは平成9年(1997年)7月、13年(2001年)5月、19年(2007年)6月、22年(2010年)10月でした。
Fujifilm FinePix4500(240万画素)、Nikon Coolpix E-5000(500万画素)およびOlympus Pen E-P1(1200万画素)で撮影。
山形県郷土館「文翔館」のHPはこちら。
ホームページ洋館探訪の「山形の洋館(山形市)」ページはこちら。
by okuruma1970y
| 2013-01-14 13:57
| 東北