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by okuruma1970y

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頭ヶ島教会(長崎)

3件目も九州の教会堂をご紹介します。


頭ヶ島教会は、長崎県の離島である五島列島、南松浦郡 新上五島町 友住郷頭ヶ島(地図)にある教会堂で、石造りの単廊式の建物は、地元・上五島出身の大工棟梁・鉄川与助によって大正8年に建てられました。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_2058445.jpg


地元で切り出した石を使った、西日本で唯一という石造りの教会堂は、「小規模ながら類例の少ない石造」ということと、「門柱や石垣,石段などもよく残り,いずれも丁寧な仕事」であることから、重要文化財に指定されています。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_21383.jpg




正面は左右対称で、中央部に出入口があり、その上が鐘楼になっています。
鐘楼の屋根は八角形の銅板葺きで、頂部には十字架を戴いています。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_2153058.jpg


建物自体が大きな石を積み上げて組まれている上、側面は控え壁で補強されており、非常にしっかりした作りになっています。
正面左右と側面のアーチ窓には、色ガラスが嵌め込まれていますが、窓上部の石組みは要石よろしく手が込んでいるところがいいです。
軒蛇腹の下には、今村天主堂と同様にアーチ状に削った構造石を並べて、リズミカル見せています。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_21523474.jpg


出入口もアーチ状に石組みされていますが、奥の扉上はもっと凝った石組みです。
教会堂の出入口は、外から屋根の中に入る部分は1箇所でも、そこから左右2箇所の扉や左右中央の3箇所の扉に振り分けられていることが多いのですが、ここは中央1箇所のみ。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_2243031.jpg



無骨な外観とは対照的に、内部は花の装飾をあしらった、かわいらしい雰囲気でした。
建物自体が小振りということもあって、支柱で仕切られた側廊はなく、シンプルな単廊式。
鉄川与助設計としては珍しく、コウモリ天井ではなく、折り上げ格天井です。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_23474960.jpg


折り上げ格天井ですが、二重に持ち送りが設けられ、持ち送りの基部にはコリント式柱頭らしき装飾が見られます。
窓枠の奥行きを見ると、石壁の厚さがよくわかります。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_0145767.jpg


側面のアーチ窓には青・赤・緑・黄色といった色ガラスが嵌め込まれていますが、そのうち青系の色ガラスの写真です。
上部のアーチ部は固定窓で、下部は左右に開くようです。

頭ヶ島教会(長崎)_a0188759_0224216.jpg



*現在もミサ等を行っている現役の教会なので、見学の際は十分ご配慮ください。
 2018年(平成30年)に世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の1つとして登録され、観光客が増えたことから、この頭ヶ島教会堂の見学の際しては事前連絡が必要となりました。見学のマナーや事前連絡については、 こちらをご確認ください。


写真は、2002年(平成14年)9月に見に行ったときのもので、現在は館内の写真撮影等が禁止されている可能性があります。Olympus C-3100(300万画素)で撮影。
当時は長崎空港から頭ヶ島にある上五島空港への定期航空便が就航していましたが、現在は航空便は運行しておらず、長崎か佐世保から船で行くしかないようです。交通が不便な五島列島ですが、それを補って余りあるすばらしい教会群があるので、それらも追々ご紹介していきます。


ホームページ洋館探訪の「上五島の教会」ページはこちら




by okuruma1970y | 2011-01-18 01:01 | 九州