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日本全国に残る洋館を紹介していきます。


by okuruma1970y

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武雄温泉新館(佐賀)

5件目は、九州の温泉施設をご紹介します。


武雄温泉新館は、佐賀県 武雄市 武雄町大字武雄(地図)にある温泉施設で、木造2階建ての建物は、東京駅を設計したことで知られている辰野金吾によって、大正4年に建てられました。
国の重要文化財に指定されています。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_13502732.jpg


屋根上には鴟尾(シャチホコのような瓦)を戴いて、白赤緑に塗り分けられた寺社建築風というか竜宮城風であることから、洋館というよりも和建築のようにも見えますが、よくよく見ると、左右対称で両翼が張り出した様式は、明治初期に建てられた役所建築のようでもあります。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_13524937.jpg







一般的な洋館では出入り口にバルコニーを備えた玄関ポーチがあるものですが、バルコニーは設けずに、鐘楼型の窓から眺めるようになっています。
破風や欄干も寺社建築風ですね。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_13572663.jpg


玄関ポーチはありますが、洋館によくある柱頭を備えた丸い支柱ではなく一般的な角柱で、釘を使わない日本の在来工法で組み上げられているように見えます。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_1412692.jpg


窓も、洋館によくある上げ下げ窓ではなく、日本古来の左右引き違いです。
1階は採光のためにか高窓も設けられていて、下窓と高窓の桟を通しているのが凝っています。
両翼の張り出した部分には、階段が設けられています。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14184620.jpg


館内に入ったところは、当時は受付だったのかもしれませんが、今は地元物産品の売店になっていました。
1階正面側は通り土間のようになっていて、右側は女湯、左側は男湯だったようです。
外観は派手な色使いですが、館内は木の色を活かして落ち着いた雰囲気になっています。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14324086.jpg


大風呂は、天井に湯気抜きを設けた八角形の付属建屋にあります。
建屋の形に合わせて、湯船も台形になっています。
採光に配慮してあり、とても明るいです。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14401077.jpg


2階から見下ろした大風呂の外観も、寺社の八角堂のよう。
腰壁まで赤く塗られていて、新館の建物そのものより派手な印象です。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14472146.jpg


お値段によって2段階の浴室がありましたが、こちらは構造はシンプルながら、小振りな高級風呂。
そういえば、道後温泉にも何段階かのランクがありました。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14525173.jpg


浴槽の床に張られたタイルは凝ったキレイなものでしたが、お値段に合わせたのか?
高級風呂には坪庭も設けられていました。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_14584199.jpg


洋館では建物の華にもなる階段ですが、和建築風にシンプルなものでした。
勾配が急なのも、日本の在来工法のようです。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_1535352.jpg


2階には大広間と、貸切部屋が2間ありました。
この辺は最近の温泉施設と同じですね。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_1555976.jpg


2階トイレは締め切られていましたが、天井は凝った折り上げ格天井でした。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_1593314.jpg


2階の鐘楼型窓からは、楼門が望めます。

武雄温泉新館(佐賀)_a0188759_15114685.jpg



見に行ったのは、2010年11月で、館内は無料で見学できるようになっていました。
新館は現在では入浴できないものの、この武雄温泉の敷地内には、他に入浴できる施設があります。
その敷地入口には、同時期に辰野金吾設計で建てられたの楼門(重要文化財)が建っていますが、また追い追いご紹介します。
Olympus Pen E-P1で撮影。


ホームページ洋館探訪の「佐賀県の洋館」ページはこちら」。




by okuruma1970y | 2011-01-30 15:35 | 九州